導入事例 株式会社マシンエンジニアリング様
FAシステムの設計から生産までを一貫して手がける企業がTopSolidの本格導入を決めた理由

FAシステムの設計・管理にTopSolidを活用

FAシステムや自動組立機・検査機などを手がける株式会社マシンエンジニアリング(以下、マシンエンジニアリング)のシステム生産部では、「設計3次元化構想」を実現するため、TopSolidを導入。
その経緯と成果について、同社システム生産部部長 桜井 重雄氏に詳しく伺った。
ここでは、FAシステム・自動組立機・自動検査機・各種FA機器の開発・設計・製造・販売およびサービスを手がけるマシンエンジニアリングの導入事例を紹介していこう。

マシンエンジニアリングは、東に南アルプス、西に中央アルプスがそびえる信州・伊那谷(長野県)に大規模なFAシステムの組み立て・製造が可能な工場を併設した本社を構え、豊かな自然環境に育まれた大らかな気持ちと、ものづくりに対する情熱を持って挑戦を続けている。

FAシステムなどに使用される汎用デバイス機器を手がける「デバイス生産部」。そして、自動車部品メーカーなどの顧客の製品に最適なFAシステムのオーダーメイドで設計から製造までを一貫して請け負っている「システム生産部」という2つの事業部を両輪にビジネスを展開している。



マシンエンジニアリングのシステム生産部では、2015年からTopSolidの本格利用を開始。導入当初は8台からの利用だったが、現在では19台のTopSolid'Design Pro(3次元CAD/CAM)とTopSolid'Pdm Server(PDMサーバー)、さらには6台のTopSolid'Pdm Explorer(管理者向けPDM)を利用している。

しかしながら、最初に3次元CADの導入検討を開始したのは2004年にまで遡るという。当時、取引先との3次元モデルのデータ交換を目的にTOPsolid v6を導入。設計ツールとしての活用も検討したが、操作性や応答性に満足できず本格的な導入は見送った。あわせて、3次元CADツールの導入も検討してきたが、いずれも3次元モデリングを行っているというだけの印象で、設計の生産性向上に貢献できる実感を持てなかったという。そのため、本格的な導入にはいたらなかった。

「当社の場合、1つのFAシステムにおける部品数は5万点におよぶこともあり、その半数以上がオリジナルの設計部品となります。そのような規模のシステムを設計・管理するためには、各設計者単位だけでなく、全体的な生産性を向上させるための仕組みが必要不可欠でした」と語る桜井氏。

旧バージョンでは操作性に満足できなかったが、フィーチャパラメトリックとノンフィーチャ・ノンパラメトリックを使い分けることができ、設計のさまざまな場面に対応できるTopSolidは当時から高く評価していたという。



思い通りに設計を進めるようになったTopSolidを本格導入

2014年、TopSolidが新たにリリースされたことで、「設計者の思考を惑わせることなく、思い通りに設計を進めるようになりました」と、桜井氏は操作性やパフォーマンスの向上を高く評価。

さらには、PDMが内蔵されているため、関連付けなどの複雑な運用ルールを意識せずとも、容易かつ一元的に設計データを管理できること。3次元モデルと2次元図面のシームレスな融合による、図面作成工数の削減や設計の生産性向上が期待できること。トップダウン設計にもボトムアップ設計にも柔軟に対応できることなども含め、「設計3次元化構想」を実現するために、TopSolidの本格導入を決めたという。

導入後の成果として桜井氏は、「PDMによるデータ連携効果」と「2次元ドラフティング機能による工数の削減効果」を挙げる。

「設計変更時にデータの連携がリアルタイムかつ容易に反映されるようになったので、柔軟かつ迅速に設計変更の判断や対応が可能になりました。設計変更という作業に対する心理的なハードルは下がり、問題点の抽出や解決策に注力できるようになった効果は大きい」と説明。流用設計時のデータ連携も有用性が高いと評価している。

また、3次元モデルからダイレクトに組立図や部品図が自動作成され、3次元モデルの変更で2次元図面も自動更新されるなど、2次元と3次元が完全に融合されている点を高く評価している。

「当事業部の設計業務を分析すると、詳細設計作業が約4割、加工図面に落とす作業が約3割、残りが設計変更や付帯業務となっていました。細かな比較はしていませんが、業務全体の約3割にあたる業務が省力化・効率化されましたので、3次元による設計が進めば進むほど、その成果は大きくなると期待しています」と、桜井氏は語った。



今後の課題としては、全体の約4割を占める詳細設計作業をどのくらい効率化できるかがポイントになるという。

「単純にTopSolidを使いこなせるかどうかということではありません。基本的な3次元CAD自体の難しさはあるかもしれませんが、ほかの3次元CAD製品を利用していた中途採用の設計者もTopSolidにはすぐに慣れ、できることが多いと語っています。

根本的に2次元の設計と3次元の設計は、発想の転換が必要となりますので、それをどのように設計の現場に反映していくのかが今後の課題となります」と桜井氏は説明した。

最後に桜井氏は、3次元CADを選ぶポイントについて語った。

「あえて言うまでもないかもしれませんが、取引先とのデータのやり取りが必要な場合は、そのアプリケーションを選ばざるを得ませんが、自社で導入を検討する場合は、トップダウンではなく、現場主導で選定および導入を進めることは絶対条件となるでしょう。

その上で、自社の設計業務のどこに工数がかかっているのか、時間がかかっているのかを見極めて、効果が見込める製品を選ぶべきだと思います。当事業部の場合は、加工図面作業に大きなウェイトがかかっていたのでそれを解消できる機能を重要な選定要件としましたが、加工図面が不要なケースもあるでしょう。

現状の課題を明確に抽出し、それを解決できる製品を選ぶことが重要なポイントとなると考えています」。